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2008.10.12

読書感想文:「デューデリジェンスのプロが教える 「企業分析力」養成講座」

デューデリジェンスのプロが教える 「企業分析力」養成講座 - 山口 揚平(Amazon.co.jp)をメモ。

なぜか日本人が知らなかった新しい株の本 - 山口 揚平(Amazon.co.jp) を出版してから3年も経つんですね。私が株を嗜み始めた時に本書を読んだ時の感想は「株価、あんま関係無いやん」て、思いが強かったですね。株価を見るの ではなく、会社の価値から本来あるべき株価を予想しようという発想が無かったので「何言ってんだ、この本は」と思ってしばらく積読していました。

人間、困ると藁を積極的に掴みに行くものなんですね (^-^;。

今回の書籍では、更に一歩進んで企業が生み出す利益の源泉を把握し、今後どう変化し、どのように発展したら企業価値を上げる事が出来るのかについて記載しています。特徴のある9つの銘柄を例にして、Business Media 誠:山口揚平の時事日想の連載記事の同様の流れで分析しています。

期待している人には悪いのですが、この書籍を読んだからと言って明日から凄いステキなトレードが出来るスキルが身に付くわけではありません。即効性 は皆無ですし、投機には必要性の少ない情報ばかりです。企業価値と株価は一致していないことが多いですので、その間の剥離分の利ざやを稼ごうとするなら、 少しは役に立つのかもしれませんが、時間は掛かりますし、負うリスクは高めです。売り時についても記載されていませんので裁定取引にも使えないでしょう。 受身でこの書を読むのも向いていないでしょう。お勧め優良銘柄が紹介されているわけではありません。読んだ後、どう消化し、どう生かすかは読者次第。その お手伝いをしているに過ぎません。

本書は、自分がこれから負ってみようと思っているリスクを正確に把握しようと思っている人に向いています。真っ当なリスクを負うことで真っ当なリターンを得る投資スタイルなら、胆力、精神力に差が出るはずです。

後、特徴的なのは山口さんの職業柄だと思うのですが、プレゼンが上手いです。本書でもそれは如実に表れています。もし情報として何も得るものが無 かったとしても、本書のプレゼンの仕方はモノにしたらおカネになると思います。それだけでも価値を見出せるんじゃないでしょうか。

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あまり書籍の内容を語るのは読む人のアレを削ぐような気もしますし、営業妨害(?)のような気がするので少しだけ。

ツカミの2712 スターバックスは、企業価値の本質を探るに当たってとても興味深かったです。最近、スタバの経済本が多いというのもあるのでしょうけど。ドトールとの比較よりも4716 日本オラクルの方に近かったのは意外というか。

他社との比較という面では2121 ミクシィが興味深いです。IT企業の分析は難しいですね。分析に拘るよりも勝ちパターンを多く持っていて、経営者が株主側を意識しているような企業をチョット推してみようかな、という程度で丁度いいと思います。こんな程度ならあんまりおカネをぶっこんじゃダメですけどね。

全体としては「こう会社が変われば企業価値が高まるのになあ」というアイディア出し(駄目出し?)ですかね。3711 創通の件は正にそのとおり。だけどあの株主構成じゃ大きな期待は出来ないかな、と言うのが私の結論。個人投資家サイドの考え方としては、投資家自身が会社を動かすのにはマネーが足りませんので、会社の利益獲得の変化に敏感になりましょうよってことでいいのかな。

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もし今後、続編があるとするなら以下の内容にも突っ込んだ記載を希望します。

  • 製造業の分析をもっと多くして
    私が好きなんです =)。多分、分析しても無駄なことが多いとは思うのですが、それはそれ。重めな造船・建機とか、軽めな工具とか、市況に連動するしかない電子部品とか。
  • ROICツリーの分析の仕方
    Shares 1.0のROICツリーを見ても、それを消化できなければ単なる画像でしかないわけで。この傾向が現れたら在庫を確認した方がイイとか、同業他社との比較 で差が付いている場合、利益にどう影響するのか、とか。そうするとShares 1.0の情報が生きてくるわけで =)。
  • 株価とのリンク
    所詮、投資なので株価とのリンクの仕方が分からないと買う時期も売る時期も分からないわけで。少し投機じみているのですが、意見を聞いてみたい所です。

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「株」の先には「企業」があり、企業の先には「社会」がある。企業とは、社会に価値を生み出すための組織体であり、投資とはその組織体に参加する行為である。そして、投資した企業が創造した価値の還元を受け取ることが本来の投資のあり方ではないか。

あとがきの記載なのですが同感です。

私が投げた資金が何らかの役に立って利益を生み出し、その利益が返ってきてくれるような投資をしたいと常々思っています。それは日本の産業であって 欲しいし、日本の輝ける未来に繋がって欲しいと願っています。どーしようもない経営者もいますが、それでも極力、経営者も社会も信用したい。

ということなので、インデックス運用は株価の平均値でしかないわけで、私にとっては面白みが無いんです。株価に投資したいのではなく、企業に投資を したいから。Debtにも興味は無いし、外国株も日本企業の競合相手なら餌は与えたくないという思いは強いかな。もちろん、相乗効果を出せるような企業な ら積極的に投資をしてみたいと思ってますがね。

まあ、私のエゴといえばそれまでですが =)。

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