「好循環メカニズム」はもう帰ってこない
みずほ総合研究所 [調査リポート]のレポート、「好循環メカニズム」の所得分配面からの検証(PDF)を紹介。
生産し、所得が増え、増えた所得で支出し、需要を受け入れる形で生産が増えるというメカニズムを「好循環メカニズム」と言うらしい。いざなぎ景気を超えた長期の好景気だったはずなのにその実感が沸かない理由について記載されている。
ざっくり纏めると以下の通り。
- デフレと輸入物価上昇による所得流出により、所得のパイの拡大が妨げられた
- 大企業の収益改善は人件費削減が主な要因
人件費削減の要因は労働生産性の向上による(生産性の向上は、機械化の推進、必要人員の絞込み、契約の多様性辺りが要因になるのだろうか)。
中小企業では人件費の改善は見られない(大企業と異なり、生産性を向上させるための設備投資がままならないからなのか)。 - 金利低下により中小企業の収益改善が見られた
- 国民可処分所得の割合は一般政府が増加、家計が減少
特別減税の廃止、年金保険料等の引き上げが要因。家計で使える所得が減少する傾向にある。 - 昨年までは企業側が価格転嫁に対して消極的だった
今迄デフレだったのは、企業側が価格転嫁を行えなかったのが要因。家計から見ると、企業は賃上げを抑制していたものの、原材料高を価格転嫁しなかった。 - 今年に入って企業側の価格転嫁が高まっている
今年にかけて消費者物価指数が上がり始めている。価格転嫁が進むと家計所得が減少し、個人消費が落ち込みことが懸念される。 - パイの拡大が課題
「今回、企業から家計への所得波及がみられなかったのは、パイが限られた下で、企業が収益向上に向けて人 件費負担削減を進めた面によるところが大きい」と纏めている。パイの拡大についてはグローバルな消費者に向けた高付加商品の開発、ニーズの必要性の高い商 品の開発を挙げている。
古来から受け継がれている不作時の口減らしのようなものでしょうか。「口減らしはお止めなせえ」と風来が愚痴るのは簡単だが、食料を得るための田んぼはどこにあるのよ?という話なのかな。
低水準なGDPは、設備投資で生産性を高められた大企業とそれが出来なかった中小企業を平均してみると、大して生産性は上がっていなかったねという話なんでしょうな。生産性が上がらないのはパイの小さくなった国内市場しか相手に出来ていないから。
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似たような指摘で切込隊長の切込隊長BLOG(ブログ): サービス残業が厳しかったり、給与が上がらないのは、日本経済の生活水準が切り下がってるからも紹介してみる。
まあ確かにコモディティ化したソフトウェア開発やアニメ作画では、グローバルな経済の中では日本では割高な人材という位置付けになってしまうのは仕方の無いことだわな。哀れむなら単価の高い仕事をくれ、という話なんだろうか。
そんなことは消費者が許す訳が無いのにな。高くて質の悪い日本産より、安ければなんでもいいんですよ的な中国産を好む状況なんだから、間接的に日本の消費者から「必要無い」と烙印を押された状況なのかもよ>日本の産業。
まあ移民受け入れは、止めておいた方がいいと私も思いますよ。受け入れたことで一時は経済格差を移民に押し付けることは出来るかもしれないけど、やがて彼らの低所得が全体の所得を引き下げることは目に見えている。
この辺は山形さめの説明を読むと分かっていただけるかと。
- ゴッドランドの経済学 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
- 生産性の話の基礎 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
- それでも賃金水準は平均的な生産性で決まるんだよ。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
- クイズ:経済学者3人にきいてみました。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
まああれです。
平和が一番。儲かっているうちは多くの人は平和であり続ける国民性ですもの。儲からなくなり始めればリアルな「火垂るの墓」状態になるのは明らか。おカネこそが清らかな国民性を維持することに必要不可欠なのです。
結論はですね。
大して生産性を上げていないアサヒ如きが、国内の生産性を上げることに寄与している永守さめの足元を掬って金儲けしてんじゃねえよ、と。
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